オトリの泳ぎと釣りやすさを大きく左右する水中糸。ナイロン、フロロ、複合メタル、単線メタルなどがあるなかで、北村憲一さんが愛用するのは単線メタル。その大きなメリットとは?
使用率は8割を超える
高知県の仁淀川や四万十川をホームリバーに、引き釣りメインでアグレッシブにアユと対峙する北村憲一さんは、水中糸の単線メタル使用率が8割を超える。
「単線メタルの一番のメリットは水切れのよさですね。オトリを入れやすくて浮きにくい。仁淀川のような上層から下層まで押しが強い河川では特にその効果があります。いまは複合ラインもコーティングがよくなってるし、比重の重いものや軽いものなどいろいろなバリエーションがありますが、僕がアユ釣りを始めたころって、複合ラインは流れの変化でオトリが浮くイメージがあった。だから、昔から単線メタルを使ってきたとういう経緯もあっていまも使い続けています」
そんな北村さんが愛用するサンラインの「ハイテンションワイヤー」は、高比重タングステンとステンレスワイヤーをより合わせたフルメタル仕様の比重9.7。

「水切れがすごくよくてオトリの入りがいいのと直径にばらつきがないので、同じ大きさのアユを同じ流れで釣るとして、複合メタルよりワンサイズからツーサイズ太い号数が使えます。例えば複合ラインの0.08号を使うシチュエーションで、ハイテンションワイヤーなら0.1号や0.125号が使えます」
基本的に水中糸を細くすると、オトリがよく入り負担を軽減してくれる半面、仕掛けの強度が低下する。オトリの入りがよくて負担も少ないなら、強度のある号数を使う方が安心だし取り込み率がアップすることはいうまでもない。繊細な仕掛けを使う友釣りにおいて、このメリットはとても大きい。
軽いオモリで
仁淀川のように押しの強い河川では、ノーマル仕掛けだとオトリが浮き気味になることが少なくない。そんなときに単線メタルはオモリとの相性がよくて使いやすいと北村さんはいう。
「ほかの糸だと1.5号のオモリで引いてオトリがギリギリ浮かないときでもハイテンションワイヤーなら1号でオトリがしっかり入って引けます。感度がいいので、野アユに追われりした変化も分かりやすいし、オモリが底に当たるのもよく分かる。根掛かりもしにくいですね」

また、引き釣りメインとはいえ、トロ場などでは立て竿で泳がせていく。そんなときに気になるオトリの動きはどうだろうか。
「メタルラインって泳ぎ出すと、スーッと直線状にいってしまうイメージが強いんですけど、ハイテンションワイヤーは複合ラインに近い泳ぎを出せます。釣り人の意思である程度ふわふわとコントロールできるので、ポイントを問わずオールマイティーに使えると思います」

水深のある瀬を釣るときにも単線メタルの特性が生かされるよう北村さんは水中糸と6mと長く取る。ハナカンまわりは下ツケ糸を使わないワンピース仕掛け。水中糸の上部は上ツケ糸を介してサンラインの「マーカー天糸フロロ」を接続する。
天上糸の視認性
グリーン、オレンジ、グリーン、ピンクの配色で25cm毎にブラックマーキングが施されたこの天上糸は、様々な背景や天候でも視認性が高く、長さ調整にも便利。撥水効果が高いコーティングを施すことで、雨などで濡れた竿へのべた付きを軽減してくれる。

「人によって光の加減や見にくい色、見やすい色っていうのがどうしても出てきます。天上糸が見えたほうがオトリの状態が分かりやすい。特に流れの速いポイントをベタ竿で引くときに水中糸や目印が全部水に浸かってしまったときに、天上糸が見やすければ釣り人に有利ですよね。マーカー天糸にはそういうメリットがあります」

仁淀川で北村さんを撮影したのは2024年9月。例年は18~21cmがレギュラーサイズなのだが、遡上数がやや少なかったことから個体の成長がよく23~24cmがまじる状況。押しの強い平瀬から荒瀬でオモリを使い良型を次々にブチ抜いていく。単線メタルのメリットと威力をまざまざと見せつけてくれたのだった。