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いまさら訊けないオバセ10の基礎

泳がせ釣りに不可欠な糸フケの考え方と活用法【2】

編集部=撮影・文

  • テクニック
いまさら訊けないオバセ10の基礎

 泳がせ釣りの柱ともなるオバセ。その疑問に泳がせ釣りのエキスパート・廣岡保貴さんがお答えします。その続編。

6.ゼロオバセでオトリを止める時間

 繰り返しになりますが、オトリがその場にとどまり、竿先にオトリの動きを感じるところがゼロオバセです。
 ゼロオバセでオトリを止めておく時間は、その日の状況や川のクセなどで毎回違いますね。入れ掛かりで釣れるときなどはポイントで10秒も止めておけば掛かります。だから、それ以上は止めておくよりもポイントをずらして攻める方が効率がいいです。
 僕の場合、ゼロオバセで止めるというよりも、むしろオバセがどのくらい出ているのかを確認するためにすることが多いんですよ。

7.チャラ瀬でオトリが泳がないときは

 チャラ瀬では、ナイロンやフロロカーボンの水中糸の方が確実にオトリが泳ぎますね。元気な間は、あまりテンションをかけずどんどん泳がせましょう。
 しかしオトリが弱ってきたら、チャラ瀬は水深が浅いためにオトリがすぐ石裏で止まります。そのときは、鼻先にテンションをかけてオトリを動かしてください。
 浅いチャラ瀬ではあまりオバセを入れても効果が少ないように思います。ゼロオバセの状態から少しだけオバセを入れる感覚で釣ってください。

浅いチャラ瀬はオトリが弱ると動きが止まりやすい。そんなときはテンションをかけることも必要

8.深場でのオバセ加減が分からない

 私の場合、水深があるポイントではフロロカーボン0.175号か0.2号の水中糸で釣ります。あまり細い糸は使用せず、オトリの元気さに合わせてオバセを入れていきます。
 掛けたばかりの元気なアユはコントロールしようと思っても、なかなかゆっくりと泳いではくれません。そんなときはゼロオバセから少しのオバセを入れて泳がせればオトリのスピードは抑えられます。
 しかしオトリが元気な間は、そのまま素直に速く泳いでもらう方が僕は釣果が上がると思いますよ!あまり余計なことはしなくてもいいという感じですね。
 逆にオトリが小さくて力がないときは、底に入るまでどんどんオバセを入れるといいですね。オトリが底に入ったら少しずつオバセを減らし、ゆっくりと動いてもらいます。
ただし、オバセを少なくしすぎるとオトリが浮いてしまうので注意してください。

9.オバセを意識しすぎて根掛かりが多い

 チャラ瀬や流れの複雑なポイントでは、あまりオバセを入れすぎると根掛かりやエビになってしまいます。原因は、必要以上にオバセを出しすぎているということですので、オバセは少なめで釣りましょう。
 先にも言いましたが、底に入るまでは大きくオバセを入れて、オトリが底に入ったら少しずつオバセを減らしていきます。
 逆に深いトロ場や底石の変化が少ない瀬では、かなり大きくオバセを入れても根掛かりやエビにはなりにくいことも覚えておいてください。
 流れの強弱や複雑さ、水深などポイントの違いによってオバセを調節して、うまく加減することが大事ですね。

オバセを入れ過ぎるとトラブルになりやすい流れ、ポイントがある。それを見極めて操作したい

10.オバセの精度を上げるには

 オバセを駆使する泳がせ釣りは、私の中での基本です。オトリに自然に近い状態で泳いでもらい野アユを掛けていきます。
 オバセのコントロールを上達させるためには、トロ場でオトリを泳がせて、見えているナワバリアユを掛けるなどして、掛かったときのオトリの動きを研究したりすることも大切です。
 入れ掛かりのときには、泳がせ釣りではあってもポイントを絞って、オトリを直接ポイントに入れ、そこでオバセ量を調整しながら野アユを挑発します。そこで掛かればポイントをずらし、テンポよくスピーディーに掛けていきます。
 泳がせ釣りは、どちらかというと静の釣りのイメージがありますが、引き釣りにも勝ることがあるんですよ。

ポイントを絞り込んでピンポイントでオバセをコントロールできれば、トーナメントでも有利な攻めの泳がせ釣りが可能になるはずだ

2020/02/26

この記事はアユ釣りマガジン2013に掲載されたものを改訂、再編集しています

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