取材で名手のみなさんに話をうかがっていると、なるほど! と思える小さな工夫を教えてくれることがあります。誌面に載せるには限られたスペースでしかご紹介できませんが、サイトならページは無限にあるので、がっつりご紹介いたします。トップバッターは瀬田匡志さん。実は“獲る”ための工夫がいたるところに散りばめられているアイデアマンなのです。
竿は右肩でかつぐ? 左肩でかつぐ?
右利きの人の場合、右肩で竿をかつぐのが普通ですね。瀬田さんも右利きなので、普段はもちろん右肩で竿をかついでいます。ところが…
左肩で竿をかついでいますが、なぜ!? スマホの自撮りのように写真を反転させたわけではありません。
実はこのポイントは左岸から竿を出しているのですが、背後に草木が生えています。こんなところで右肩で竿をかついでしまうと、仕掛けをがっつり引っ掛けてしまう可能性が大です。気を付けていても、つい油断して仕掛け全損…なんて経験をされた方も少なくないと思います。
それを防ぐために瀬田さんはあえて左肩で竿をかついでいるのですが、あまりに動作がナチュラルなので話を聞くまで全然気付きませんでした。お恥ずかしい…。左岸の頭上に木が張り出していて、右岸から竿を出すようなときにも使えますね(右利きの場合)。ただ、釣行回数の多い人はあまりに体がなじんでいるせいか意外に左右のスイッチが難しいとのこと。サンデーアングラーこそ試してみる価値はありそうです。
サカバリに中ハリスを結ぶ位置
タイトルカットにも使ったこの写真、瀬田さんが使っているサカバリなのですが、ちょうどハリのフトコロいっぱいまで根巻き糸で中ハリスを固定しているのが分かるでしょうか?(写真が見にくくてスミマセン)
なんでギリギリまで巻いているのか? それはやり取り時に中ハリスが切れるのを防ぐためなのです。たとえば根巻き糸をしっかり巻いていない場合、何かの加減で下のような状態になることがあります。
中ハリスがハリ先に触れると、いわば刃物で傷を付けられたような状態になります。サカバリの近くで切れるトラブルは、これが原因だと瀬田さんは言います。
ほんの少しの違いですが、しっかり巻いて固定すれば中ハリスがハリ先に触れることはなくなります。掛かりアユを失うことを思えば、手抜きせずにきっちり仕掛けは作っておきたいですね。