冷や汗モノの講演イベント 友カンを叩きつけ強度を実証
村田さんとはね、今年うちの店は75年目なんですけど、50年近くになるんかなぁ。
以前は電車で名張川に来られてたんですけど、オトリを取ってくれてたんですよ。「今日は大将、何匹いるねん」「50ほしい」「よっしゃ、釣ってったるわ」と親父が言ってたんですけど、それが始まりですから古いですよ。前の店が川沿いだったんでね。うちの家の部屋で着替えてね、川まで歩いて20、30歩でしたもん。親父が言うには必ず注文の数だけ釣ってきてくれたと。

いろんな思い出があるんですけど…友カンがあるじゃないですか、プラスチックの。いちばん古いタイプって今もダイワで売ってますよね。あれが市場に出たときに、誰もが「こんなもん…」って言ってたんですよ。プラスチックやないかと。その前は真鍮やったでしょ?
うちの店の前で村田さんの講演会をしたときに、初めてその友カンがうちに来て現物を見たくらいだったんですよ。村田さんが「この友カンは絶対割れへん」と言って、それを聞いたお客さんが「ほんまですか?」と。
「ほんまや!」と村田さんはフタをしたままね、肩のベルトを持ってぐるんと回してテークバックして、駐車場のコンクリートに思い切り叩きつけたんですよ。それでね…ちょっと縁は欠けたけど割れなかったんですよ。
村田さんは本に書いてましたけど、この出来事が真鍮からプラスチックの友カンに変わる進軍ラッパだったと。それはうちでのことだったんですよ。
引き抜きがブームになった頃には、どういうものかを実演する「引き抜き教室」をやったんですよ。橋の近くに砂地があって、そこでやってたんですけど、すごい人でしたよ。橋の上が人だかりで、それも印象的でしたね。
もうひとつはね、1000匹釣行。10日で1000匹釣ると言わはったんですけど、実はできなかったんです。どの川も釣れなくて。名張川に来てできると確信したのか、村田さんは毎朝8時にうちに来て、川までお送りして、日が暮れる7時に迎えに行くというのを毎日やったんですよ。「今日は100超えたー!」っていう日もあれば80台の日もあって、残念ながら10日ではできなかったけど11日目に完了しました。
そのときはみんなで打ち上げというか川原でバーベキューして、おめでとうと祝ったんですけど、横断幕を作って撮った記念写真もあります。名張川の仲間でね。